皮膚が火傷や外傷などで損傷し、毛包が破壊されると毛が生えてこなくなってしまいます。毛包があったところには瘢痕ができ毛包が消失します。この状態が瘢痕(はんこん)性脱毛症です。ちなみに瘢痕とは火傷や外傷などによって付いた傷あとが硬く厚く盛り上がった皮膚の状態のことで、あばたとも言います。

瘢痕性脱毛症の原因

はんこん性毛包とは表皮が筒状に内側に入り込んだ部分で、毛穴の下の髪の毛を取り囲んでいるところです。髪の毛を作り育てるために非常に大切なところで、毛母細胞の元になる細胞もここにあります。その細胞が壊されてしまうと毛が生えてこなくなるため瘢痕性脱毛症になります。火傷や外傷などに加えて細菌や真菌の感染、皮膚疾患、腫瘍の浸潤などによっても瘢痕性脱毛症は起こります。毛包が破壊されているため脱毛箇所には二度と毛が生えてきませんし、治療が遅れると脱毛の範囲がどんどん広がってしまうこともあります。そのため早期治療が大切です。治療には皮膚形成手術が必要な場合もあるので形成外科で診察が行われることが多いようです。

病気による瘢痕性脱毛症

瘢痕性脱毛症を起こす病気としては、全身性エリテマトーデス、扁平苔癬(へんぺいたいせん)、皮膚がんなどがあります。全身性エリテマトーデスは、自分の体の成分と反応する抗体が作られてしまうため、全身の臓器が侵されてしまうという病気です。発病確率は1万人に1人程度で女性の方が男性よりも10倍の罹患率があります。そのため、女性ホルモンが発症に関与している可能性も指摘されています。

扁平苔癬は皮膚や口腔粘膜に生じる疾患で、再発性のかゆみを伴う皮膚の病気です。赤や紫の小さな隆起した発疹ができます。これは始めのうちは1つずつ離れているのですが、時間が経つと複数の発疹が結合し、うろこ状のかさついた丘疹となります。これが頭皮にできることで脱毛が起こります。

皮膚がんは、ほくろと間違われてしまいがちですが、色にむらがあったり、皮膚との境界が不明瞭だったり、盛り上がっていたり、大きさや形が変わったりという特徴があります。皮膚がんは自然発生することもありますが火傷が原因で起こることもあります。その火傷や放射線治療などにより瘢痕性脱毛症の原因となります。

瘢痕性脱毛症の対策

瘢痕性脱毛症は最も発毛・育毛が難しい脱毛症です。一度頭皮が瘢痕化してしまったらもう二度と髪の毛が自然に生えてくることはありません。そのため、治療は瘢痕が広がることを防ぎ症状の拡大を妨げることが中心になってきます。瘢痕が比較的小さい場合には外科手術によって縫合することで目立たなくすることもできますが、これはあくまで症状の度合いによるもので誰にでも可能な訳ではありません。脱毛を抑えるためには、一刻も早く医師の診断を受けて予防に徹することが必要です。


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